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「TPPから食とくらし・いのちを守る宮城県緊急学習会」が開催されました

 平成27年4月24日(金)仙台市内で、TPPから食とくらし・いのちを守るネットワーク宮城は「TPPから食とくらし・いのちを守る宮城県緊急学習会」を開催しました。約150名のネットワーク構成団体メンバーや一般市民等が参加し、NPO法人アジア太平洋資料センターの内田聖子氏の講演を聞いて、TPP交渉の実態について学習しました。

 講演後は、各分野の代表者からTPPに関する意見をリレートークとして発表し、「反TPP運動を強化していく」との緊急アピールを採択しました。

 学習会前には、構成団体メンバーなどが市内で街頭宣伝活動を行い、広く市民にTPPの危険性を訴えました。

1.趣旨
 米国のTPA法案は、2月にも議会に提出されると言われていましたが、3月も提出されないまま、議会は4月12日まで休会期間に入りました。日本政府は当初、TPAは米国の国内問題であり、交渉妥結には必ずしも必要でないとの立場を明確にしていましたが、甘利TPP担当大臣は、「TPAの取得について明確な見通しができてこないと、日米を含め12カ国の会合は最終着地点まで行かない」と述べ、米国政府のTPA取得が大きな鍵になってきているとの認識を示しました。
 このようななか、議会再開後にTPA法案が提出され、翌週にも上院財政委員会で審議が行われる、などと米国紙が報じており、また、4月28日米国・ワシントンにおいて安倍総理大臣とオバマ大統領による日米首脳会談が予定され、その直前の4月23~26日に米国で首席交渉官会合の開催が報じられています。
 これらの情勢をふまえ、あらためて「TPPの危険性」についての認識の共有化を図り、政府に対して引き続き「国会決議の遵守」及び「情報開示」を強く求めていくため、学習会を開催します。
2.主 催 TPPから食とくらし・いのちを守るネットワーク宮城
3.開催日時 平成27年4月24日(金)13時から
(街宣活動:11時30分~12時15分、学習会:13時~15時)
4.開催場所 仙台市「エル・パーク仙台」セミナーホール

集会前:街宣活動(仙台市内)

(構成団体メンバーが市内でティッシュ・チラシ等を配りながら、TPPに危険性を呼びかけました。)
1. 開会

 司会 宮城県農業協同組合中央会 営農農政部長 安齋 明修

2. 講演「『異常な』協定・TPP交渉の実態-グローバルな反対運動とつながり声をあげよう」

 講師 NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長 内田 聖子 氏

 内田氏は、「本質は日米二国間の自由貿易協定であり、国会決議がある中、関税をゼロにする貿易協定に参加することがそもそも間違っている。各分野の交渉も秘密主義で矛盾に満ち、これほど非民主的な協定はない。今後も、反対運動を強めていく必要がある。」と呼びかけました。

3. リレートーク
若手農業者:宮城県農協青年連盟 委員長 相澤 宏樹 氏
畜産農業者:農事組合法人しわひめスワイン 組合長 石川 輝芳 氏
医療関係者:公益財団法人宮城厚生協会 坂総合病院名誉院長 坂口  至 氏
消 費 者:宮城県生活協同組合連合会 常務理事 鈴木 由美 氏
4. アピール採択

 生活協同組合あいコープみやぎ 理事 高野 恵美子 氏の発議により「日米首脳会談を前にしたTPPから食とくらし・いのちを守る緊急アピール」を満場一致で採択しました。

日米首脳会談を前にしたTPPから食とくらし・いのちを守る緊急アピール(案)

 TPP交渉をめぐっては、早期合意を目指す日米二国間による実務者協議や閣僚会合等が断続的に行われ、今月28日には、米国・ワシントンにおいて、安倍総理とオバマ大統領による日米首脳会談が予定されています。

 また、TPP交渉参加国による閣僚会合が5月下旬にも開催される見通しにあり、この日米首脳会談を軸とした2国間交渉や米国TPA法案の行方が、TPP交渉全体の進展を左右する重大かつ緊迫した情勢にあります。

 最近のマスコミ報道では、合意ありきの政府が、牛肉・豚肉等の関税削減や米の輸入枠拡大をはじめとした大幅な譲歩を行うとされ、米などの重要品目に関する「国会決議」や新農政が掲げる「農業所得の増大」「地方創生」とは、全く相反するもので、断じて容認できるものではありません。

 さらには、「食の安全・安心」、「医療・保険」、「雇用」、「ISD」など国民のくらし・いのちに関わる問題も闇の中とされ、「十分な情報提供や幅広い国民的議論を行うよう措置する」とした国会決議までもが、反故にされようとしています。

 一方、東日本大震災から4年が経過したものの、現場では農業復興の遅れや、仮設住宅暮らしの長期化、原発事故損害等多くの問題を抱えており、政府にあっては、これらの早期解決こそが最優先すべきものと認識しております。

 こうしたことから、今月28日の日米首脳会談や来月とされるTPP閣僚会合に向けて、私たち学習会参加者が主体となって「反TPP」運動を強化していくとともに、政府においては、十分な情報提供のもと、『脱退も辞さない』とする国会決議を遵守するよう強く訴えるものです。

平成27年4月24日
「TPPから食とくらし・いのちを守る宮城県緊急学習会」参加者一同

5. 閉会